第7話 夏着物2
今年の夏は 本当に蒸し暑く まさに猛暑といえる日が多く
さすがに 気の字のわたくしでも 袖を通す回数が減っています。
とはいえ 着物好きの意地もあり(笑)時々どうしても着たくなるのです。
夏の着物の鉄則はやはり
涼しげに着る
ということ尽きるのではないでしょうか。
この暑いのに まあごくろうさんなこって 暑そうね
と思われてしまったら 失敗。
やはり あら涼しげねえ と言われたいものです。
この暑い中 えらいわねえ(内心 あほちゃうか!?)暑くない??
そう聞かれることは まあよくあることですが
うん それが 着ちゃうと意外に涼しいの! と
どんなに暑くたってあなた
顔に汗などひとしずくもかかず 涼しい顔で答えるのが
着物好きの意地ってもんです(笑)!
なんて言うと なんだやっぱり暑いのね と
がっかりされてしまうかもしれませんが
まあ 夏は なにを着ていたって 暑いじゃないですか。
そうだな ストッキングをはいて スーツを着るよりは
かなり涼しいんじゃないかな。
ジーパンに ぴたっとしたTシャツを着て
足にジーパンが張り付き 汗でTシャツが濡れちゃったまま…
なんて時より さわやかですしね。
特に この夏私は 和装ブラも肌襦袢もつけず
胸にさらしを巻いて 麻の長襦袢に麻の着物(または上布)を着ると
すんごくさわやかで涼しいことを発見しました。
(昔から知られていることかも しれませんが)
さらし すんごく気持がいいです。
時代劇に出る役者さんになった気分だし!
きゅっとしまって 脇までくるので 汗も吸い取ってくれます。
麻の襦袢は 着終わったらネットに入れて洗濯機で洗ったら
よくはたいて のばして乾かすだけでOK。
手入れも簡単です。
夏きものといえば 絽や紗が代表的ですが
麻を着慣れると やはり暑い。(特に絽の長襦袢が)
絽を着るときも 麻の長襦袢を着てしまってもいいなと思います。
正式な場では ひんしゅくを買ってしまうかもしれませんが
普段なら…ね。
とは言うものの こう暑いと なかなか普段には
絽や紗に手が出なくなってしまいます。
絹は 一度でも袖を通したら 洗いに出さないと シミが怖いですしね。
結構な 出費になってしまいます。
でも ひと夏に一度くらいは 着たいんだなあ。しっとりと 絽…。
おととし ある女性から その方のお母様の 思い出の着物をいただいたんです。
白地に うす青い露芝模様の絽の着物と 紺色に桔梗の柄の帯。
もし迷惑でなければ… 着ていただけるなら…
下さる方のほうが おずおずと遠慮がちに 声をかけてくださいました。
誰かの思い出の詰まった着物を着させていただく。
着姿をお見せするだけで やさしく穏やかな時間が流れる。
しっとりと 奥ゆかしい…
日本に生まれてよかった…
そう思える瞬間です。
木村 真紀 (2010年8月17日)
【木村真紀流】 おきもの解説
和装用のブラジャー。
着物を着る時は ぼんっきゅっぼんっではなく
ずん胴のほうが きれいに着られる。
和装ブラは ボリュームのある胸を適度に押さえ
肩と胸の間にできるくぼみを埋めるように 補正のパットが入っている。
長襦袢の下に着る肌着。
ガーゼのものが多い。
着物の下に重ねて着るもの。
長襦袢に襟をつけ 着物の襟と重ねてずらして見せる。
絽は平織りとからみ織りを組み合わせ、経糸と緯糸をからめて絹目をつくった織物。
経絽(たてろ)はたてに、緯絽(よころ)はよこに 透き間のすじがはいっている。
夏の着物や帯に使われる。
よこ糸を一本打ち込むごとに、二本のたて糸を交差させる織り方でつくられる織物。
透け感があって涼しげな 夏の普段用着物&帯。
着物によくある模様の図案の一種。
posted: 2010.08.17