第8話 着物でコンサート
着物熱に浮かされてからというもの
ともかくどこへでも 着物を着ていくようになり やはり
着る回数を重ねるごとに
手早く きれいに着られるようになっていきました。
でもね
今の世の中 理由なく 着物を着ることは むずかしいようで。
まわりを驚かせててしまうんですねえ。
どーーーーしたのお??
このあとなにかあるの?習い事?
いや なんもないんだけど 着たいから着てる。
ふーーーん そーーーなんだあ。
絶滅危惧種に出会ったような視線。
まあ しょっちゅう会う人たちは そのうち慣れてくれるのですが
初対面の人 とくにお仕事のときは
まず間違いなく 演歌の人 もしくは小唄かなにかの先生
と思われてしまうので
いえ これはただ遊びで着ていているだけで
ポップスうたってます…とか
もごもご言っても イメージは膨らまないばかりか ずれてしまう。
だから 初対面の方との仕事のときだけは 我慢しよう。
なーーんて 真剣に考えて…。
少し落ち着いた今 振り返ると 笑えるほど(もちろん苦笑)
一途に 着物に恋しておりました。
その頃 横浜のはずれにある『なごみ邸』という
ものすごくすてきなところで ランチタイムコンサート
というのを 年に4回やらせていただいていたのですが
そこはまさに 隠れ家のような 和の空間で 着物がぴったりはまる。
ここで 着物を着てコンサートをしよう!
いらしてくださるお客様にも よかったらお着物でいらしていただこう。
そんな企画がわき上がり あっという間に実現しました。 (ともかくまっしぐらだから)
親子で着物でいらして下さった方。
ご夫婦で着物の準備をされていたのに
当日男もののたびがないことに気づき
間に合わず 奥様だけ着物で…というご夫妻。
木村真紀を知らなかったけれど 着物でコンサート というのに惹かれて
はじめてコンサートにいらしてくださった方も多く
その出会いが 今につながっていることは とっってもしあわせです。
一部と二部の間のティータイムには
みなさん着物談義などで盛り上がったり
静かにお庭にたたずまれたり…
それぞれに 楽しんでいただけたように思います。
着物を着ることが 日常ではなくなってしまっているさみしさはあるけれど
でもだからこそ 着物を着ることで 非日常を楽しめる。
着物を着ると みんな 背筋がのび 凛としたたたずまいになる。
それでいてしっとりと はんなりと…。
いつもとは 身のこなしも変わってしまう。
まあ 成人式の集団は例外として。 (一人の時には 例外じゃないのにね)
ここのところ このコンサートが ストップしていたのですが
そろそろやりたいなあーー とうずうず。
この秋 袷の季節がきたら 久々に 着物でコンサート
やれるかもっ と画策しております。
その時は みなさま
ぜひぜひ 着物で 遊びにいらしてくださいませよ。
もちろん洋装で参加だって 大歓迎ではありますが
わたしも着物 着てみたいって うずうずしちゃうかもですよ。
ああ その日に備えて 着付け講座 開催しちゃおうかしら!
いっしょにあそびたい人
このゆーび とーまーれっ!
木村 真紀 (2010年9月7日)
【木村真紀流】 おきもの解説
10月から5月の間に着る着物で 裏がついている。
ちなみに
6月と9月は 単衣(ひとえ)という 裏のついていない着物を着る。
7月8月は 夏着物。絽 紗 上布 麻など。
もっと細かくは
6月の後半 9月の前半だけ着る 紗あわせ…というものも。
でも柄によっては 6月前半 9月前半だけしか着れないものもあるわけで… なんたる贅沢。
posted: 2010.09.07