第21話 着物熱ふたたび
あの未曾有の震災以降
ぱたっと 着物に袖を通さなくなり…
しばらくの休眠状態から ふと目覚めて以来
その勢いが止まらない。
困ったねえ…………。
仕事で出かけたついでに 久々
銀座のアンティークモールに立ち寄ってしまったのもいけなかった。
あそこは なんだってあんなに
かわいい 魅力的なきものたちが生息しているのでしょう。
このごろ
骨董市にしても リサイクル着物屋さんにしても
通い始めの頃みたいな 輝きが薄らいできたように感じていました。
それは やたらと目が肥えて 品物がわかるようになってきた…
ということもあるでしょうし…
実際 品物が出尽くした…ということもあるのじゃないかと…
そう思っていたのです。
ほほう そろそろ 私のほしいものは なくなってきたわね。
(もちろん 買えるもので…なんですけれど)
なっはーーんて 思っていたんだけれどもねえ。
でも あるところには あるんですね。
むちゃくちゃかわいいのが…(涙)。
まあそりゃ 銀座ですから
お値段だってバリッと お高いんですけれど。
はんあ~~~っ 欲しい欲しいほしーーーーーっ!と
物欲がめらめら…。
まったく なんとかにつける薬なし。
とほほ。
だけど どーーしたって今は 買えないの。
そーなの無理なの。どう考えたって。
自由業という名のぷーたろう予備軍ふたりで
3人の子どもを育てているわけで
そのうち2人 大学に行っているわけで
あとひとりも塾に行かせなきゃ 高校入れないわけで。
震災は 我が家にだって色濃く影をおとしているわけで。
なのにふと気づくと
帰りにはひとつ 袋をぶらさげていたりするんですね。
おそるべし わたし。
まあでも 今は お値段もかわいいーーもの。
…のはず。たたぶん…。
思えばわたくし
今まで こんなにも 物に執着したこと なかったんだけどなあ…。
収集癖とか そういうの なかった…ように思うのだけれど
なんでこんなに 心惹かれるんでしょうねえ。
布のオーラ というのかな
作り手の込めた思い…なのかなあ
そういうものを びんびん感じてしまう。
もう二度と会えないかもしれないよって声がしたりすると
ええーーい 連れて帰ったる!と
分不相応な啖呵をきりそうになる(爆)。
でも逆に
今 チェーン店の呉服屋さんの店先にならんでいる反物に
あんまり魅力を感じない。
さわってみたいって 思えないものが
増えているんじゃないかなあ。
それはそれで さみしいですね。
気の字のわたくしには ちょうどよいですけれど…。
みなさま 蓄財なさっていらっしゃいますか?(笑)
気の字が集まって お茶でも飲みながら
そんな四方山話に興じるのも きっとたのしいですね。
あーー そろそろ
なごみ邸 着物deコンサート
やりたくなってきたあ。
木村 真紀 (2011年5月24日)
posted: 2011.05.24