第3話 骨董市
子供たちの通っていた幼稚園の近くにある町田天満宮で
月に一度 骨董市をやっています。
もう15年くらい前から 時々足を運んでいます。
母仲間で 一生の友達と呼べる親友が 連れて行ってくれたんだったなあ。
和骨董 アンティーク アジアン雑貨 そして着物など
たくさんの露天の店が並びます。
友人は 西洋アンティークや 和のものがお目当て。
私はあの頃は もっぱらアジアン雑貨や
タイシルクの布を探しに ふたりでよく出かけたものです。
でもお互い子供が大きくなり 仕事も忙しくなり 何年も行かなくなっていました。
そこに にわかに降って湧いた着物熱。
そうだ あそこに 着物があったじゃない!!
もうそれからというもの ひとりで 万難を排して通うことになったわけです。
初めて買ったのは 赤 ベージュ 黒などの 細い縞の銘仙だったかな。
積み上げられた山の下のほうから引っ張りだして 値段交渉。
もうどきどきしながら おにいさんに声をかける。
『あの これいくら?』
7千円くらいだったのを どきどきしながらもしっかり値切って
4千円しないくらいで買ったんだとおもいます。
サイズが小さかったのと 誰かが一回買ったのに返してよこしたものらしく
『あーそれ けちがついたやつだから いいよ 安くても!』
そんなやりとりで Getしました。
それからも もう楽しくて楽しくて
朝9時には到着して 飲まず食わずで夢中で見てまわり
気づけばお昼を過ぎている。
そんなかんじでありました。
そおねえ
私ってやつは なんでも夢中になると止まらなくて
昔みんなでスキーに行くと ちょっとすべっちゃあ 集まって写真!
ってのがもううっとーしくて ひたすら滑りたい!!私写真パス!!
そういう人でした。(爆)
骨董市自体は 夜明けから日没まで。
といっても 午後になったら もうそろそろ片付けが始まる感じ。
早朝は 業者のひとが多く 人だかりもすごいらしい。
さぞかし掘り出し物があるんだろうと 気ははやるけれど
子供が学校行くより早く出るのも 気が引けるから
送り出すと同時に 着物に着替えて飛び出してゆく。
はあーっ やはり頭が おかしい!(笑)
そんな生活を3年もすると どんなことになるか
語るだにおそろしいことに……(笑)
水飲み場 (いや手を清めるところ!?)の脇の三善屋さん
帯の ほっこ堂さん
北鎌倉にお店がある 一文字さん
名前はわからないけど いつもかわいい帯を売ってるおねえさん
紬を中心に わりと状態の良いものを とても安く売っていて しかも
おまけしてくれるおねえさん(あ おまけは みんなしてくれるけど)
入り口の階段のところにいるのは 池田重子さんとも取引のあるおにいさん
裏のほうにいる 布々やさん
私を見つけると『今日も素敵ねえ』と必ず声をかけてくださる優しいおねえさん
最近お店が成瀬に引っ越して来た 古今東西さん
……と まああそこもここも おなじみばかりに。
てへー そして着物は 増える。
それでもねえ
それでもまだ 骨董市で買っているうちは よかったんですよ んねえー。
おそろしい続きは またこの次に。
木村 真紀 (2010年6月15日)
【木村真紀流】 おきもの解説
銘仙
明治の後期 大正から昭和と大流行した女性の着物。
光沢があって 色 柄もあざやかなものが多く
いわゆるレトロな着物。
紬
玉繭やくず繭などから紡いだ糸を使った絹織物。
厚手でふしなどがある 味わい深い織物。
格としては あくまでも普段着。
でも現代では むしろやわらかものより高価なものが多い。
池田重子さん
『時代布と時代衣裳池田』店主。
着物デザイナー 着物コーディネーター アンティーク着物 帯留め等の収集家として名高い。
posted: 2010.06.15